永岡武人(1984〜)の北京(2010〜)→成都(2014〜)での建築設計事務所勤務生活雑記
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雲南省で発生した地震の被害に疑問
日記形式を放棄して、週一の更新にしようと決心。



先週日曜日に雲南省で震度5強かな、の地震があって連日報道されている。どこの道が復旧しました、政府に感謝!みたいな報道だけど。震度5強程度で住宅が全壊してしまっているのを見て疑問に思う。雲南省が所謂中国の支配下に入ったのは元の時代。それまでは独立国家として存在していて、長い歴史を持つ。つまり、地震多発地帯である雲南の人たちは長い間地震と付き合って暮らしてきたはずなのに、どうしてもこんなに被害が拡大してしまうのだろうか。倒壊しているのはレンガを積んだ壁に木造の屋根を架けた住宅。震災の度にこんなに大きな被害を被ってきたんなて考えられない。進歩があるはず。

ということで、今週のメモ
1.雲南の建築構法の変遷
2.レンガ造はどこからやってきてどうして受け入れられたのか
3.中国で軽量鉄骨造の建築の解体方法
4.軽量鉄骨を売却する際の手順
5.鉄骨の売値

について来週末までに調べる。

 
杜甫草堂に行ってきた
どうやらJUGEMブログに普通にアクセスできるようになったので、できるだけ毎日書いていきたい。

昨日アップした刘家琨設計の博物館に行ったその前日に杜甫が往時に暮らしていたという杜甫草堂に行ってきたので今日はそれをアップしたい。
唐朝の詩人、杜甫(712ー770)は生前は余り評価されず家族とともに各地を転々とし、759ー765年まで成都に住んでおり、その際に建てられたのが杜甫草堂。今目にすることが出来るのは戦火で消失した後に再建されたもの。





全体の構成は線対称に作られたアプローチの庭園があり、その奥にある池を中心とした庭園に草堂が建っている。特に前者のアプローチの庭園がよかった。線対称の単純な構成なのだけど、ディテール(植栽の配置や流れる川などの自然部分)が微妙に異なり密度を高めていたのがよかった。また司馬遼太郎がここを訪れた際の印象を本で読んだのだけど、彼は竹の種類の多さに驚いていたけれど、ぼくにはそこまで違いがわからなかった。。




















 
水井街酒坊遗址博物馆/刘家琨に行ってきた
投稿ページにアクセスできたのでアップする。

一昨日、成都に事務所を構える刘家琨(Liu JiaKun)設計の『水井街酒坊遗址博物馆』に行ってきた。明代(14cー17c)からあるという白酒をつくる工場の遺跡と現在も使われている工場のリノベーション/増築プロジェクト。博物館内には白酒の発酵中の匂い(結構臭い)が充満していた。入場チケット50元(1元=17円)で係の人の案内を受けながら周り、途中白酒2杯を頂ける。
刘家琨の作品は成都に集中しているので、成都に来たら3日程度で大方の作品は見て回ることが出来る。刘家琨について詳しくは市川紘司さんたちが忙しく編集作業をしているであろう『ねもはエクストラ(中国特集)』で勉強が出来ると思います。





2011年に行った『鹿野苑石刻艺术博物馆』や今回『水井街酒坊遗址博物馆』に行って共通して感じたのは空間の重苦しさと手数の多さ。
空間の所在が時間的コンテクストや周辺環境など、真正面から向き合うべきもの(仏像や遺跡、2008年の地震で倒壊した家のレンガを再生した再生レンガの使用など)がありそこに接続していることが実感できる場合には重苦しい空間もネガティブなものではなくなり骨太な空間になる。博物館の中で係の人の案内を受けながら白井晟一の建築を思い出した。
もう1つの手数の多さ。空間のスケールや材料が変化していったり、プランがすっきりしなかったり、ディテールがちょっとずつ違ったり(粗い)。それが空間の密度に貢献している。

大変抽象的なことを書いているけど、具体的には?と興味をもたれた方は実際に行って確認してください。大まかな印象と理由は上に書いたようなことが言えると思う。まあそれはどんな建築家でも同様のことが言えるかもしれないけど、価値観をでっちあげることができないタイプの建築家だなと好意的に思う。




















 
響沙湾ホテル(PLaT ARCHITECTS設計)


昨日PLat ARCHITECTS設計の響沙湾(中国語だと响沙湾)ホテルの現場にお邪魔してきた。ちょうど設計者の前田さんも現場にいらっしゃりありがたいことに案内頂けた。
まだインテリア工事中のためアップする写真は外観のみだけど、そのインパクトは凄い。リアル砂漠は初めてでこれまで見たことのない環境に、真っ白の建築がよく映える。

响沙湾はクブチ砂漠の東端に位置し、砂漠化した砂漠ではなく真性砂漠だそう(その違いは石英などの成分によってわかるみたいだけど、ちょっとぼくにはわからなかった)。既にディベロッパーによって旅行区としてオープンしていて、その目玉としてリゾートホテルの建設が進められている。







建築に関しては前田さん曰くフラクタルというのが一つの言語になっているとのこと。ちなみに、白い屋根は膜。イタリアのメーカーのものを使用している。当然ながら雨が降らないので光触媒には頼れず、そもそも汚れがつきにくいものを採用しているらしい。今後のインテリアの展開も楽しみにしながら、来年予定されているオープンが待ち遠しい。
お忙しい中、案内してくださった前田さんありがとうございました。

さて、この後23時半発の飛行機で北京に帰る。


現場に料理の匂いが漂う
7時起床。すぐに支度をして7時半仕事開始。
立面図を描き、9時過ぎ現場へ向かう。
終日現場で土壁のモックアップ作りの現場に付き合う。
19時過ぎ、辺りは既に暗くなり始めたころ、現場にいい匂いが漂う。匂いのもとを追ってみると工人(職人)が現場の地下で料理をしていた。



彼らは専門的な技術がある工人ではなく現地で集められた工人。彼らが寝泊まりするのは現場の空いているスペース。今回は地下のスペース。
現場に中華料理の匂いがするなんて日本ではあり得ない状況だろう。


天津図書館(文化中心館)/山本理顕設計
7時半起床。セブンイレブンに行き朝ご飯を購入し家でゆっくりと朝食をとる。
そのご9時半までネット。ぼくにとっては新聞を読むような日課なのだけど、実際に実家に帰った際に新聞を手に取り読むのとは気分は違う。新聞の方が心が落ち着く。

終日、世界人口の変移について、農業について等の調べ物。
大方の流れは知っていたけど、改めていつ頃の出来事なのか、その背景などを整理しておきたかった。ここ最近、項羽と劉邦を読んで以降だろうか、過去のことなどが少しずつ頭と言うか、身体に入ってきているような(と言うのも正確ではないのだけど)感覚がある。おそらく知識量がある水準を超えたこと、少しずつではあるが整理されてきていることが要因かと思う。


さて、土曜日に行った天津図書館(文化中心館)のレポート。
北京から天津には高速鉄道が走っていて、約30分の電車の旅で天津に到着する。
天津駅からバスに乗り巨大な公園に向えば図書館を見つけるのはさほど難しくない。








とても素晴らしい図書館だった。
周囲との関係から見ると、あらかじめ定められていたというボリュームを石材のルーバーとボイドの組み合わせで、5万5千m2の巨大さを軽減し、リズムをつくりとりつくしまがあった。
内部は公園と道路をつなぐ南北方向に5層分の吹き抜け空間がありそこを中心に段々状に内部テラスのような閲覧スペースが昇っていく。このホールにはトップライトから光が注ぎ込まれ、真っ白の空間をベースに本が連なり人が散逸している光景は壮観だった。図書館でこれほど白い空間は他にないのではなかろうか。壁に貼られた二種類のアルミパネルが天窓の光を柔らかい印象にしているのも秀逸。
とは言え、実際これほど直射日光が入るのは本を傷めるだろうし大丈夫?とも思う。






また、音響環境もよかった。それにはこの構成が効いているのだろうけど、狙っていたのかな。工学的な言及はできないのだけど、例えるなら街の中のような音が響いていた。音を吸収しすぎるのも静かになりすぎて居心地が悪いし、もちろん反射させすぎてうるさいのもイヤだ。これにはアルミパネルも一役かっているのかな。
ちなみにこの本棚になっている壁のようなものの中にトラスが組まれており巨大な梁になっている。さらにちなみにこの中央の本棚の本はレプリカであることを発見した。





これほど気持ちのよい図書館が家の近くにあればと思う程よかった。この広場には高松伸設計の自然博物館もある(まだ開館していない)し、天津にはMVRDV設計の集合住宅もあるので次回はそれらを見に行きたい。


中国緑色建築標識
9時半出社。10時から緑色建築(エコ建築)のレクチャー。華通という有名な事務所から人が来られて、作品紹介等。こういった話には恥ずかしながら無知なので、レクチャー後2つの質問を。
Q1.性能評価の話が多かったかが、事後的評価ではなくこの評価指標をもとにゼロから形態の設計は進められるのか?
Q2.LEEDや中国緑色建築標識(中国の評価基準)など各地域での指標があるが材料の輸送や生産、施行まで含めた指標はあるか?
A1.今のところ事務所の体制として提案のあったものを評価して設計にフィードバックしていく。A2.ある。

この2つの質問は、性能評価だけだと制約が増えるばかりであまり面白みがないなぁと思い、例えば直接的に形態をうみだすことは可能か(Q1)ということと、評価指標が材料の輸送や生産、施行まで範囲を広げているのであれば、制約がもしかすると別の側面から地域性をうみだすきっかけになるのではないかと思ったから。
レクチャーを聴きながら、王澍の建築はどう評価できるのかを聞いてみたかったが、聞きそびれてしまった。

そしてレクチャーで序盤に話されたみんなが飲んでいる飲料水はあまり飲めたものではないぞという脅しにはビビった。ネットの記事で地下水の汚染の話はよく目にしていたものの、こうやって面と向かって言われるとビビってしまう。が仕様がない。
ちなみに、レクチャー中に唐山で進められているというH2Rの作品が紹介された。

その後2つのプロジェクトを進めながら、時折読書。
19時半退社し、3日連続のカレーになるのを避け、カレーパスタにしてみた。まあまあ食べれた。一応トマト、ニンニク、白ワインを入れてみたのだけど、期待していたようにはならなかった。

さて後は引き続き読書。


頤和園の対極的なスケール感
昨日の日記を書いてから家を出る。
まずは朝陽門の丸亀製麺で腹ごしらえをして、世界遺産の頤和園に行くため6号線に乗り4号線に乗り換え西苑駅へ。
春になったからか3km2もある園内は人でごった返していた。(たぶんもっと天気が良ければそれどころではなさそう。)多少寒かったものの、新緑芽吹く中湖面を眺めながら歩くのはなかなか気持ちがよかった。


湖や山が作り出す巨大なスケール感(対岸までの距離感、抜けるような気持ちよさ)と手前に植えられた樹々が作るヒューマンスケール(地に足が着いた居心地の良さ)の対極的なスケールの並置がとても心地の良い空間を作っていた。




細々とした目立たない部分の装飾もとても手の込んだもので感心したり、一方で後から整備されたであろう椅子の向きがそっち向き?という感じだったり。


↑園内で見かけたパーティーピーポー


↑「泳いで魚を捕ってはいけません」の看板の横で魚を釣る人たち


↑じゃれる子供


↑パーティーマスター


↑こんな感じでアップダウンが激しく足ががたがたになってしまった。

頤和園を後にし、恋人の誕生日を祝うため世貿天階で水煮魚を食す。
ワインでも飲もうかと思っていたけど、どう考えても料理と合わないのでビールを頼む。




店内に入った時はまだ明るく世界最大級と謳われているLED天井がスケスケだったので、てっきり撤去したのかと思ったけど暗くなってから演目が流されていた。いつもながらダサい。

すっかり疲れてしまい、帰宅後少し眠ってしまった。
ということでもう少しだけ読書をして映画を見ながら寝たい。


STUDIO-Xに行ってきた
朝10時起床。
生憎の曇り模様。昨晩劉さんからの電話がなかったので、今日は完全休日にすることにして、とりあえず近所のスバタに行き14時半まで読書。




その後雍和宮近くのSTUDIO-X(コロンビア大学が企画しているスペース)でやっている华黎TRACE ARCHITECTURE OFFICE)の展覧会に行く。その前に近くのvineleafでラムカレーを食す。欧米人多し。
厨房は隣の建物にあり、窓から食事がカフェ内に運ばれ、それがテーブルに運ばれてくる。
そのため窓がパッチワーク状態。




展覧会では割と現象的な設計をしている印象を受けたけど、ちょいちょいアイディア建築と言うかそういうのが見受けられた(写真のプロジェクトは北京にできるクラブハウス)。そしてそういう建築の方が彼を有名にしているのではないかと推察する。模型の迫力があって楽しかった。

会場を後にして近くを散歩。この辺りはいつ来ても工事中。
現場でコンクリートの調合をしていたけど、調合と言うか適当にミキサーに突っ込んでいた。これでは建物が長持ちしないよ。




いつも気になっていたギャラリー(一見ギャラリーには見えないし、中にも入れない)では胡向前のヴィデオ作品が展示されていた。前回798でみた入れ子構造になったヴィデオ作品の作家。恋人曰くオブリストとコールハースの対談本に出てきたそう。このギャラリーは誰がなんでやっているのだろうか、謎は残る。

その後晩ご飯の買い物をして帰宅。またパスタ。
後は読書をして忙しそうな来週に備える。
と思いきや、来週木曜日から清明節で3連休。それまでが忙しそうのは変わらないけど。


dashila(b)3 街歩きイベント
また更新さぼってしまったけど、今日はdashila(b)のイベントに誘ってもらってプレス向けの街歩きイベントに行ってきた。


プレス関係者でもないのにえらくもてなしてもらって昼間っからホットワイン飲みながら雪の残る街を散策。




ぼくたちが普段気づいていないだけで、こういうイベントにやってくる感度の高い中国人、中国在住欧米人はたくさんいて、たくさんの知り合いができた。
ぼくなんかは中国の大規模開発に対してのアンチテーゼ的プロジェクトとして興味を惹かれるのだけど、それはあくまでも入り口に過ぎず、実際には色んなモチベーションの人たちが絡み合って動いていてそれが面白い。二項対立には入り口以外の意味はない。

あとはざっと写真で紹介。



(↓)モスク(清真寺)を案内してもらったり。



(↑)雪の北京の屋根風景はとても美しい。
屋上なのに柵がないのも緊張感を生んでていい。

(↓)パッチワークのプロポーションや素材使いに抜群のセンスを感じる


5時間以上寒い中立ちっぱなしで足腰ともに弱ってしまった。
みんなにお別れを言い、その後マルチェロでの大輔さんの誕生日会に向い、先ほど帰ってきたところ。
飲み会の席で自民が勝ったことを知った。

明日からの一週間相当に覚悟を決めて取りかからなければ。
ということでおやすみなさい。